去年の9月にケニアへ行ったとき、正直ブラックアフリカは肌に合わないと思った。
そのときはモヤモヤしていて具体的に理由がわからなかったけれど、それまで行ったアジアや中東やヨーロッパとかと違って、ここには住めないなと直感的に感じた。
なのに今、ケニアの隣のウガンダに住んでいるんだけど。
でもやっぱり、ウガンダに来たときは「うわーここに二年住むのかー」って思うことが結構あって。
その一つがムズング攻撃。
「ムズング」は元々スワヒリ語で「白人、西洋人」を指すとホストシスターは言ってた。
あらゆる人が、老若男女問わず、「ムズング!ムズング!」って言ってくる。
というか叫んでくる。
「チャイナ!」の場合もあり。
これが私はすごく嫌で、「ムズングじゃないし!」とか「ジャパンだし!」とか思っていたり、時には口にしたりしていたんだけど。
毎日毎日、朝、家の敷地を一歩でも出た瞬間から、帰ってくるまでの間に何度も何度も言われるわけで、そしたら疲れてもくるわけで。
これが2年続くのかと思うと、心もどんよりしてくる。
そしてちょうど任地の生活で1週間が過ぎた頃、さすがに我慢ができなくなった。
いつもは無視して通り過ぎるんだけども、その日は思い切って
「ムジュングーーー!」って毎日叫んでくるちびっこたちのところに突撃訪問してみた。
近づいて行ったらなんかもう、ちびっこ泣きそう。いやいや呼んだのそっちじゃん。
そんなことを思ってたらちびっこのおばあちゃんがやって来て、
「この子達あなたのことがよっぽど好きなのね。だからいつも呼んでたのよ」と。
ちょっとそれで、腑に落ちたかんじ。
「ムズング」と呼ばれることで、「黒人である彼ら」と「黒人ではないその他の私」として雑多に括られてしまっているようで、すごくそれが嫌だった。
そうやって「ムズング」と呼ばれて「距離」があって省かれているはずなのに、
次の瞬間にはフレンドリーに “ How are you Madam?” って聞かれたり、
そうかと思いきやチャイニーズと揶揄されたり、
省きたいのか
友人になりたいのか
それとも特別扱いなのか
一体彼らが何を考えているのか、さっぱりわからない。
どんな距離感を望んでいるのか、理解できない。
それがケニアで感じた嫌悪感の正体だったよう。
カルチャーショックすぎて、カルチャーショックだって気付くのにすごく時間がかかった。
でも、おばあちゃんのひとことで少しだけ、歩み寄れたかもしれない。
ウガンダは、日本とは全然違う。
アジアの国々のように顔つきや肌の色が似ているわけでもなく
食べ物も文化も言語も共通点があるわけでもなく
ヨーロッパやアメリカのように生活様式が似ているわけでもなく
オセアニアの島国ほど日本に近いわけでもなく
本当に、日本と離れている。何もかも。
それはウガンダ人でも同じようで、彼らにとっても日本は遠い。
日本人なら中国語も話せると思っている人も多いし、日本人も犬を食べるんだろうと言われるし、日本人と中国人と韓国人は全く同じだと思っている人もたくさんいる。
だけどわたしにとってもウガンダ人とケニア人とタンザニア人は同じに見えるから、これはもうお互い様なのかも。
遠いものはしょうがない。
でも、旅行ではなく、2年間この地に住むことで
この地の人々と一緒に仕事をしていくことで
こうやって少しずつ、距離が縮まっていくのを感じられるんだろうな。
クリスマス!クリスマス!ってあんなに家族も浮き足立っていたのに、
意外とあっけなく終わって、
わたしもウガンダ滞在3ヶ月を無事に迎えました。
クリスマス当日は挨拶にメリークリスマスが加わっただけで、
いつもと何の代わり映えのしないご飯で
あえて言うなら品数と量がはんぱなく増えたくらいだったんだけれど、
みんなで作ってみんなで食べて
家のソファでぐうたらして
外のベンチでおしゃべりして
いつもの日常と変わりない感じがいいのかも。
こんな勢いで2012年もおわりで2013年を迎えそう。
来年はもっとどっぷりウガンダに浸るんだろうなあ。
今年もたくさんの人へありがとう!
来年もよろしくね!
Have a wonderful new year;-)
(帰ってきたら子豚が産まれてたー!)