アタック当日は午前2時に起床。
チャイとビスケットを食べて装備の最終確認。
気温の低い高地では、懐中電灯の電池やカメラのバッテリーなどすぐ消耗してしまうので、ヘッドライトの電池を新しくして、手袋も二枚装備、上着は7枚、ズボンは3枚、靴下も3枚でアタック開始!
気温はマイナス5℃。
チューブでお水を飲めるキャメルバックも凍ってしまう寒さ。
暗闇のなかをヘッドライトを頼りに歩きます。
寒いし、息も苦しいし、歩き始めたとたん心が折れそう。
でも落ちてきそうなほどの満点の星空が綺麗で、ゆっくり歩を進めて行く。
そして午前6時。
待ちに待ったサンライズ。
太陽が出たところももちろん綺麗だったんだけれど、太陽がでる寸前の夜と朝とのわずかな境界の時間がとても素敵だった。
それから、あとはひたすら岩だらけの急な坂道を登って行く。
“We are about!” (もうすぐそこだ!) をアヤちゃん(ガイド)は連呼するけれど、そんな雰囲気は微塵もない。
9時をすぎるころになり、頂上から降りてきた登山者たちとすれちがうことが多くなった。
“ Summit was great! Almost there!”(頂上最高!もうすぐそこだよ!)と言うかっこいい白人のお兄さんにそそのかされて頑張って歩くも、やっぱり頂上は見えない。
それもそのはず、最初の目的地は見えている斜面のはじっこなんだから。
見えてはいても、遠い遠い。
登って登って登って…
10:30頃、やっと”はじっこ”に到着。
その名もステラポイント。
標高5739m。
なんだか別の惑星に来てしまったんじゃないかというような風景。
ここで少し休憩して、頂上ウフルピークまであと45分の道のり。
もちろん45分では着かないんだけれど。
途中には氷河があって迫力満点、綺麗でした。
ゆっくりゆっくり歩いたけれど、それでも午後1時すぎ、アフリカで一番高い場所、ウフルピークに着きました。
チーム全員で頂上にたどりつけたのが何よりうれしい。
感動を噛み締めて写真撮影をして、いざ下山。
じつは、登りよりもくだりの方が悪夢だった。
10時間近くかけて登った道を、わずか4時間足らずで降りるという暴挙。
午前2時から起きてるから歩きながら眠れる勢いだし、
もう足が生まれたてのバンビみたいにガクガク。
休みたい一心でキャンプにたどり着いたのは午後4時ごろ。
優しい味のパスタのお昼ご飯を食べたら、アヤちゃんから鬼の一言。
「これから下のキャンプ地に移動するよ〜」
ということで、1時間も休まずに3800mのキャンプ地まで下山。
暗い山道を痛い足を引きずって、なにも考えられないまま歩く。
2時間で着くと言われたけれど、バンビの足じゃ3時間かかった。
結局、16時間くらい歩き続けた1日でした。
こんなに歩くことはもう人生でないでしょう。
やっとキャンプに着いて、夕食もそこそこに寝る。
10時間以上、ぐっすり眠った翌朝。
この日は2時間だけ歩いて下のキャンプ地へ。
キャンプに着くなりトランプで大富豪。頂上に行った安心感で、もう何でも楽しくなりました。
そして最終日。
出発前にガイドやポーターさんたち一同が、キリマンジャロの歌を歌ってくれました。
長い長い6泊7日、彼らの支えがあってこその登頂でした。
この登山中に日本で2020年のオリンピックが開催されるというニュースを聞いたので、あと7年後の開催するころ「あ、このニュース、キリマンジャロで聞いたんだ〜」と言うのが楽しみでしょうがない(笑)
前回のエルゴンも今回のキリマンジャロもしかり、山に登ると自然の荘厳さを感じるとともに、日頃自分がとても恵まれていることを実感する。
そしてちっぽけな人間の自分だけれど、一歩一歩進めばアフリカの一番高いところにも行けちゃうんだな、とちょっと驚き。
でも帰国して家に帰って、部屋のなかで大きいゴキブリが3匹も死んでいるのを見て絶叫するあたり、まだまだちっぽけな人間だなーとも感じました。
Thanks a lot climbing members!
Thanks a lot Kilimanjaro!
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