2013年12月31日火曜日

100羽のひよことクリスマス


9月くらいから、「今年のクリスマスはどうするの?」と同僚たちやファーマーさんに聞かれることが多くなった。
去年はホストファミリーとUgandan wayで過ごしたクリスマス。
それはそれで良かったけれど、今年はどうしようかなーと思っていた矢先、日本の研修時代に知り合ったウガンダ人のエマからお家にお呼ばれいただきました。

今年4月のイースターのときにも訪問したエマ一家。
愉快なことがたくさんあった前回。

今回は一体何が起こるんだろう?とわくわくしながら、カンパラで待ち合わせ。
案の定、エマが登場早々、「ひよこが100羽くらいほしいんだよね」と言い出した。
「できることなら200羽ほしいところなんだけどー」といいながら、入ったお店でひよこ100羽+ドリンカーを購入。

箱が小さすぎて、本当に100羽もいるのか疑問だったけれど、ピヨピヨいってるひよこたちと共にバスに乗り込んで、いざタンザニア国境に近いラカイ県へ。

1箱に50羽入ってるとのこと

ふつうは3時間くらいで着く道だけど、クリスマス前の混雑もあって5時間近くかかってしまった。
エマの家に着く頃にはすっかり夕方だったんだけど、エマの奥さんがおいしい豚肉とご飯を準備してくれていました。

久々のエマ家。ペンキが塗られたり家具の配置が変わったりと、一段とオシャレになってた!
そういえば、あのポスターがない!と思ってたら、
リビングからシャワールームの近くに場所が変わってたけれど、やっぱり柏木由貴もいました(笑)


そんななかエマはというと、久々の実家にもかかわらず頭の中はもうひよこでいっぱいのようで、ひよこ小屋の改修に大忙し。

箱が簡素すぎて、しかもでこぼこ道をオンボロコースターで5時間近く駆け抜けてきたから、何羽かは死んでるんじゃないかと思ったけれど、


さすがはウガンダ生まれ。
みんな元気でした。
1羽ずつ手作業で、エマお手製のにんにく水を飲ませてスタミナを付けて、ついでに数を数えると全部で104羽。
4羽おまけだー!とよろこぶ家族一同。

こうして、ひよこ104羽とともに、クリスマスを過ごすことになりました。

イブの日は、ひよこたちのエサ作りからスタート。


とうもろこしや魚や貝殻などいろいろ混ぜて、できあがり。
でもまだまだ、ひよこ小屋は改修中。

それから近くの街まで買い出しに。
マーケットは人も物も集まって賑やかでした。


肉に魚に野菜やくだもの、お米や油などたくさんたくさん買い込む。
それから家に帰ると、エマの奥さんのグレティが「明日はゴメスを来て教会に行きましょう!」と言って、あれよあれよと言う間にゴメスを着せられる。


ゴメスは、ウガンダ女性の衣装で、主に既婚女性が着るドレス。
ちょっとデザインがデザインなので、作るのはなー…とおもっていたけれど、こんな機会もないと着ない!ということで、教会衣装に決定。

クリスマス当日は朝6時半に起きて、7時すぎに教会へ出発。
7時半からのミサに参加。


ミサは全部ガンダ語でさっぱりだし、おなかぺこぺこで眠いなか、9時まえには終わるかな〜と悠長に思っていたけれど、終わったのはまさかの10時半すぎ…
でも荘厳な教会の雰囲気はとっても素敵でした。

家に帰ってひといきついたあと、クリスマスランチの準備にとりかかる。
エマの長男のロジャーは12歳だけど、なんでもできる。
にわとりだって捌けるんです。


んなチキンはスパイスといっしょにタンドリーチキンに、そのほかにもたくさんごちそうを準備して、家族みんなで囲みました。


テレビもインターネットもないけれど、おいしい手料理に家族のえがおと笑い声で、とても平和な理想のクリスマスでした。


そしてクリスマスが終わる頃には、ひよこ小屋の改修も無事終わり、ひよこたちも日に日に成長して、羽が大きくなってきました。


こんなに成長が早いなんて、おどろき。
次に訪ねる頃には、おいしい卵を産んでくれてるでしょう!

そんな愉快な、ウガンダで2度目のクリスマスなのでした。

ルワンダの旅 Part2


先日、中間報告会を無事に終えて、ちょっと早いクリスマスバケーションを取って弾丸旅行だけれども、ウガンダのお隣の国ルワンダへ行ってきました。


じつは二回目のルワンダ。
前回行ったとき、首都キガリのみのステイだったんだけれども、街並みの綺麗さや行き届いた道路整備、フレンドリーな人々に感動して、隣りの国なのに政府が異なるだけで国はこんなにも変わるんだ、と衝撃を受けた国。

今回は仲良し隊員との気まま2人旅!
ビザがちゃんと予定通り発行されるか心配だったけれど、すんなり入手できたし、
ウガンダ唯一の国際空港、エンテベ空港にて、まさかのオロナミンCが飲めることに感激。
一本2ドルだけど(笑)

そしてわずか45分のフライトでは、飲み物が配られた端からコップを回収されるという荒技を繰り出されて、マンゴージュースを一気するはめに。

そんなこんなで始まったルワンダの旅 Part2、今回の旅の見所は、隠れリゾート地・キブ湖、隊員任地訪問、ニャマタのジェノサイド記念館 の3つ!


隠れリゾート地・キブ湖

ルワンダの北西に位置するキブ湖は、対岸がコンゴ。
首都キガリからバスで3時間ほどのまったりスポット。

窓の外には、きれいに整備された畑。


たくさんの丘を越えて、曲がりくねった道を結構なスピードで駆け抜ける。

宿についたころにはすっかり日が暮れてしまっていたんだけれど、おいしいルワンダビールとキブ湖から取れた魚に舌鼓!

宿はRwiza Villageという、以前に隊員が入っていたというところ。
次の日、あいにくの曇り空だったけれど、きれいな景色と素敵なロッジにまた感動!


そして朝7時にボートトリップの予約をしていたんだけれど、お兄さんが来ず、結局のんびり朝ご飯を食べてお別れなのでした。
あまりゆっくりできなかったのが残念だけれど、やっぱり水辺って落ち着くなーと思ったり。




②隊員任地訪問

ルワンダには同期隊員がいない私ですが、今回はいろんな縁あって隊員の任地を訪ねることができました。

訪ねたブタレとニャガタレという2つの街はどちらもそこそこ大きい街なのもあるけれど、ウガンダの地方都市と比べると格段にきれい。


道路は段差もクレーターのような穴もないスムーズさで、路肩に落とし穴(ウガンダでは多い)もないし、ビニール袋が禁止のこの国ではポイ捨ても少ない。



そしてウガンダでは見たことのない石畳が、まるでヨーロッパ見たいでおしゃれ。

なんていいところなんだー

こんなところで活動できるのを、ちょっとうらやましく思ったり。

活動場所やお家も見せてもらって、ウガンダとの違いに驚愕しつつも、とっても楽しいひとときなのでした。

そしてルワンダ隊員の方々は、現地語のキニアルワンダ語がよく話せていて素晴らしかった!
ウガンダは村に行ってもそこそこ英語が通じてしまうことに加えて、私の住むムバレ地域の言葉マサバ語は首都カンパラでは通じないという言い訳から、マサバ語の習得はすっかりあきらめていたので、現地語マスターなルワンダ隊員が輝いてみえたのでした。



③ニャマタのジェノサイド記念館

キガリからバスで2時間程のニャマタという街。
かわいらしい名前の響きとは打って変わって、約20年前のジェノサイドのとき、この街も例外ではなくたくさんの方が亡くなりました。
虐殺の現場となったカトリック教会が、いまは記念館となっているのを聞いて、訪ねてきました。
前回の旅のとき首都キガリにある記念館は訪ねたけれど、現場にいけなかったので今回は絶対行きたかったところ。
足を運べたのは本当に良かった。

教会の内部には、殺された人々の服が一面に並べられていて、庭の地下へ行くと、数えきれない頭蓋骨と骨が、天井から地面まである高い棚に安置されていました。

この地下に骨が安置されている


なたで頭部を切り付けられて殺された人が多いためか、損傷のある頭蓋骨が多く、こどもと思しき小さな頭蓋骨もたくさんあった。


だれかが来訪者ノートに記した“I cannot find any words."(まるで言葉が見つからない)という表現が、なによりも当てはまる気がした。


どうしてこんなことが起こってしまうのか、どんなに考えても答えは見つからなくて、でもわたしと何ら変わらない”人間”が起こしたことには変わりなくて。

『ホテル・ルワンダ』という、ルワンダ虐殺を扱った映画のなかで、白人のジャーナリストが捉えた虐殺の映像を世界のメディアに流せばこの国は救われる、とルワンダ人の主人公は言ったけれど、それに対してそのジャーナリストは ”彼ら(世界の人々)はこの映像を見ても、「怖いね」と言ってディナーを続けるだけだ” と言っていたのが忘れられない。

こういう無関心が、きっとわたしたちが思った以上に世界に影響しているのかもしれない。
大切なことは、答えがでなくても意識的にスポットライトを当てて、考え続けなくちゃいけない。
そんなことを考えさせられた時間でした。






まだまだ虐殺の傷跡は各地にあるし、特に人々の傷は完全には癒えていなくて、完治することはできないのかもしれない。
悲しい歴史を背負っているルワンダだけれども、いまは政府も国民も、国際社会やNGO、そして隊員たちも一丸となって平和を築き上げているのがとても印象的でした。



たくさんの良い出会いにも恵まれて、慌ただしくもとても充実した学び多き旅でした。
忙しいなか、時間を作ってオーガナイズしてくれたすてきなルワンダ隊員のみなさまと、愉快な旅の友に感謝!



2013年12月18日水曜日

中間活動報告会

気付けば早いもので、ウガンダでの生活も今月で15か月目となりました。
ウガンダの隊員は、新しく来た隊員向けに、それから今までの活動を振り返る機会として活動期間1年が経過すると中間活動報告を行います。
しかしながら、わたしたちの活動報告は折り返し地点を過ぎたにもかかわらず、いろいろな都合で遅れてしまっていたのでした。
が、今月13日、無事終わりました!


中間活動報告には、ひと月くらい前からそわそわし始めて。
大した活動していないのに、一体どんなことが話せるんだろう?ってずっと考えていて。


いま、やっている活動は稲作普及を中心に、野菜栽培、養蜂、それから学校交流活動の4つ。
でもどれも中途半端な気がして、これでいいのかな?という思いも多くて。
もんもんとしていたけれど、よくよく考えてみれば、大変なことも落ち込むことも、全て含めて活動になるし。
そしてホームスティという(ウガンダ隊では)特殊な居住体系も、今となってはネタになるし。

そんなこんなでパワポを作ってみたら、なんとなく形になったのでした。

当日まで、結局慌ただしくて練習がほとんどできないまま当日を迎えてしまったんだけれど、とにかく無事に終わってよかった!

そして何より、同期の活動のことを知ることができてよかった。
みんなそれなりに悩んで立ち止まって考えて、いろいろあるけれど、頑張ってるんだな〜と励みになりました。
なかなか全員集まる機会もないので、久々に会えたのも良い刺激になりました。


いろいろあるけれど、残りの9か月もできることを少しずつ、周りに笑顔を増やせるように頑張っていきます!




2013年11月27日水曜日

カンパラマラソン

中学生のころ、確かちょうど今くらいの時期に体育の授業であった持久走。
持久走がある日の朝はほんとに学校行くのが憂鬱だった。
それほど ”走る” ことが嫌いだったのに…!

6月くらいにエルゴン山、キリマンジャロの登山を決めてから、トレーニングも兼ねてすこーしずつ走りはじめました。

そうは言っても、任地で走ると「なんで走ってるんだ?!」って呼び止められたり、子どもが10人くらいついてきたりして、全くジョギングの意味を理解してもらえない(笑)
だから専らカンパラに用事があって滞在しているときだけしか走っていなかったのだけれど、走るのが楽しい!って思えるようになったのは、わたしにとってずいぶん大きな変化。

大して距離も頻度も多くないけれど、朝ちょこっと早起きして、朝もやがかかる町並みを見ながら走るのが気に入って、ちょくちょく走っていたこのごろ。

そして先日24日に、毎年ウガンダの首都、カンパラで開かれるカンパラマラソンがありました。
エルゴン山やキリマンジャロ登山と同じく、ノリで10kmマラソンの参加を決めてしまって。
トレーニングも何もないまま参加したけれど、無事完走しました◎

カンパラマラソンでは10km、21kmと42kmの3つのコースがあって、参加費は一律20.000Ush(約800円)。
もれなく、主催者であるMTN(携帯電話会社)のタンクトップ、ウォーターボトル、リストバンドやサンバイザーなどのグッズがもらえます。

黄色づくし!


サンバイザーとか付ける人そんなにいないだろうな〜と思っていたら、ウガンダ人参加者の9割はつけてました(笑)

当日は朝6時集合の7時スタート予定。
だけど案の定、アフリカンタイムで10km部門は30分遅れてのスタート。
でも遅れてちょっとよかったのは、ウガンダ人のロンドンオリンピック、マラソン金メダリストのキプロティッチが見られたこと!
彼は走らなかったけれど、ステージに来て声援を送ってくれました。

写真がないのが残念だけれど、とにかく人が多かった。
なんでも、フルの参加者は100人ちょっと、ハーフは200人くらいで、それに対してなんと1万5000人くらいが10km参加者ということで、スタートするのがまず大変。
とりあえず人をかき分けてかき分けて、歩いてのスタート…
やっと広い道路に出てから走り出したけれど、サイズの大きいウガンダ人女性はのんびり歩いてるし、マラソンなのにキックボード乗ってたり三輪車に乗る子どもがいたり、とにかく自由。
そして給水ポイントではペットボトルとスポンジがコース一面に捨てられていて邪魔!
コースの脇に投げるとか、給水ポイントのすぐ近くのゴミ箱に投げるのが日本や諸外国の大きなマラソン大会では一般的のようだけれど、そんなアイディアないからね。
走るのがキツイというより、ペットボトルやスポンジや、大きめサイズの女性たちなどを避けながら走るのがきつかった…
そして丘がちなカンパラ、最後に長めの登り坂があって、そこではやっぱり歩いてしまった〜。
でも思ったよりも早くゴールできて、何より完走できたのがうれしい!
5月にはウガンダの観光地のひとつ、ジンジャでもマラソン大会があります。
タイム更新をめざして、参加できるといいなー!

2013年11月18日月曜日

社会科見学


先日の日食イベントでお世話になった小学校が、社会科見学に行くということでお供させてもらいました!
行き先は外国人観光客も多く行くジンジャ。
ジンジャへ行く途中で猿を見て、それから砂糖工場を見学した後、ジンジャの目玉であるナイル川の源流を見るというスケジュール。
予定出発時刻は朝の5時半。
半分冗談かと思ったけれど、先生方は至って本気。

結局はバスが来るのが遅れて6時半にムバレを出発しました。
それから一路ジンジャへ。2時間半のバスの旅。


25人くらいが定員のバスに、子ども43人と先生2人とわたしが乗り込んで、ぎゅうぎゅう詰め。
それでも席から立ち上がって我先にと外の風景を眺める彼ら。

移動の間中、先生は“What is this? (これはなに?)”の質問を続けて、子どもたちをしっかりリード。
この小学校は、ほとんどの子どもたちが孤児で、寄宿舎で寝泊まりしています。
だからこんな機会がないとほとんど学校の外に出ることがない彼ら。
わたしにとってはもう当たり前の風景も、目を輝かせて眺める彼らを見てるとこっちまでわくわくしたのでした。

途中、猿が見られるというポイントで一時停止。
先生がバナナを一本投げると、どこからともなく猿が飛び出してきてむしゃむしゃバナナをほおばる。



その様子に子どもたちも大興奮でした。
こんな猿が野生にいるのも、さすがアフリカといったところ。

それから砂糖工場であるKAKIRA SUGAR WORKSへ。
たしかインド人がオーナーなのかな?
でもウガンダではとてもメジャーな企業のひとつ。
砂糖だけでなく、キャンディーなどのお菓子も生産しています。
見学の予約をしていたはずなのに、担当者が不在で手続きに時間がかかり、2時間待つことに…
やっとこのことで工場内に入ることができて、キャンディー部門の見学にいくことに。



甘い香りと見たことのない大きな機械に先生も含めて一同大興奮。
おしまいにはキャンディーをプレゼントしてもらって、待ち時間の疲れもふっとぶ。

大興奮のまま、ナイル川の水が流れ込む湖の畔へ。



初めてたくさんの水を見るこどもたちのはしゃぎぶりもすごかった。
このとき時刻は4時過ぎ。
その後ようやくランチへ出発。
地元のレストランにてそれぞれ思い思いのご飯を注文して、大満足。
わたしにとっては飽きてきたくらいのチップス&チキンやウガ飯も、彼らにとってはごちそうで。
たいしたことのないメニューだけれど、いつもより美味しく感じたのはこどもたちのおかげ。

遅めのランチを終えて、やっと本日の目玉であるナイルの源流訪問へ。
なんでも、インド人のマハトマガンディーの位牌が、彼の遺言によってナイル川にまかれたらしく、彼の銅像がありました。

ガンディーと共に記念撮影


それからモーターボートに乗り込んで、水が湧き出ている源流のポイントへ。
初めて乗るボートにも大興奮。


そんなこんなで先生も子どもも大満喫した1日なのでした。
時間通りにいかないウガンダ人のルーズさを改めてかんじたけれど、それはそれでおもしろかったのでした。
帰りのバスでは1時間近く感謝の賛美歌を歌っていたけれど、終わったとたん口を開けて爆睡する子どもが続出(笑)
きっと、一生忘れられない1日になったんだろうな。
そんなこんなで帰ったのは夜の10時すぎ…
日本ではありえないような、長い長ーい社会科見学なのでした。